終活コラム

財産目録の作り方|終活で家族に残す資産一覧の書き方と記入例

財産目録の作り方を記入例つきで解説。預貯金・不動産・保険・負債を一覧にまとめる方法、書式のポイント、家族への共有方法まで終活に役立つ実践ガイドです。

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「自分の財産がどれくらいあるか、家族はちゃんと把握できるだろうか」——終活を考え始めた方の多くが抱える不安のひとつです。

財産目録とは、自分が保有するすべての資産と負債を一覧にまとめた書類のことです。相続が発生した際に遺族が最初に必要とする情報であり、遺産分割協議や相続税の申告をスムーズに進めるための基礎資料にもなります。

この記事では、財産目録の具体的な作り方を記入例つきで解説します。「何を」「どう書けばいいか」がわかれば、今日から始められます。

財産目録を作成するために書類を整理するシニア

財産目録を作る目的とメリット

相続手続きをスムーズにする

人が亡くなると、遺族はまず故人の財産の全体像を把握する必要があります。しかし、どこにどんな口座があるのか、どんな保険に入っていたのか、ローンは残っていないか——これらの情報が整理されていないと、銀行や証券会社に一件ずつ問い合わせることになり、手続きに何ヶ月もかかることがあります。

財産目録があれば、遺族がすぐに全体像を把握でき、相続の準備がスムーズに進みます。

遺言書の作成に役立つ

遺言書を書く際には、「何を」「誰に」渡すかを具体的に記載する必要があります。財産目録で資産を網羅しておけば、漏れのない遺言書を作成できます。なお、2019年の法改正により、自筆証書遺言に添付する財産目録はパソコンで作成することが認められました(法務省)。

生前贈与や節税対策の判断材料になる

財産の全体像が見えると、生前贈与をどう活用するか、相続税がどの程度かかりそうか、といった判断がしやすくなります。税理士や専門家に相談する際にも、財産目録があると話がスムーズに進みます。

家族への情報共有の基盤になる

家族に伝えておくべきことの中で、財産情報は最も重要な項目のひとつです。財産目録を作成し、保管場所を家族に伝えておくだけで、もしもの時の安心感が大きく変わります。

財産目録に記載する項目一覧

財産目録には「プラスの財産」と「マイナスの財産」の両方を漏れなく記載します。

プラスの財産

カテゴリー記載する情報
預貯金金融機関名・支店名・口座種別・口座番号・おおよその残高
不動産所在地・種類(土地/建物)・面積・名義・固定資産税評価額の目安
有価証券証券会社名・口座番号・保有銘柄・株数(または口数)
生命保険保険会社名・証券番号・種類(終身/定期/医療等)・受取人
自動車車種・登録番号・名義
貴金属・美術品品名・保管場所・購入時の価格の目安
電子マネー・ポイントサービス名・おおよその残高
暗号資産取引所名・通貨の種類・保有数量
その他ゴルフ会員権・貸付金・売掛金など

マイナスの財産(負債)

カテゴリー記載する情報
住宅ローン金融機関名・残高・団体信用生命保険の有無
カーローン金融機関名・残高
カードローン・借入金借入先・残高
クレジットカード未払いカード会社名・おおよその利用額
保証債務保証先・保証額
未払いの税金税目・おおよその金額

負債の情報は、遺族が相続放棄を検討する際の重要な判断材料になります。プラスの財産だけでなく、マイナスの財産も必ず記載しましょう。

ノートに財産の一覧を記入するイメージ

財産目録の書き方と記入例

基本的な書式

財産目録に法律で定められた書式はありません。以下のポイントを押さえれば、手書きでもパソコンでも、自由な形式で作成できます。

必ず記載すること:

  • 作成日
  • 作成者の氏名
  • 各財産を特定できる情報(金融機関名、口座番号、所在地など)
  • プラスの財産とマイナスの財産の区分

あると便利な情報:

  • 各財産のおおよその評価額
  • 関連書類の保管場所(通帳の引き出し、保険証券のファイルなど)
  • 備考欄(共有名義かどうか、ローンの完済予定時期など)

預貯金の記入例

金融機関名支店名種別口座番号残高(目安)備考
○○銀行△△支店普通1234567約300万円年金振込先
△△信用金庫□□支店定期7654321約500万円満期2027年3月
ゆうちょ銀行通常12345-67890約100万円

不動産の記入例

種類所在地面積名義評価額(目安)備考
土地東京都○○区△△1-2-3100㎡本人単独約3,000万円自宅敷地
建物同上85㎡本人単独約1,200万円築20年

生命保険の記入例

保険会社種類証券番号保険金額受取人備考
○○生命終身保険A-123451,000万円配偶者払込済み
△△損保医療保険B-67890日額1万円月払い

作成時の注意点

更新を忘れない仕組みを作る

財産状況は時間とともに変化します。口座の解約、保険の見直し、不動産の売却などがあれば、その都度更新が必要です。

おすすめの更新タイミング:

  • 年に一度:誕生日や年末年始など決まった時期に見直す
  • 大きな変化があった時:不動産の売買、保険の加入・解約、退職金の受取りなど
  • 年齢の節目:60歳、65歳、70歳などの区切りで全面的に見直す

エンディングノートの更新頻度と合わせて、年に一度の見直し習慣をつけるとよいでしょう。

保管場所と共有方法

せっかく作成した財産目録も、家族が見つけられなければ意味がありません。

保管場所の選択肢:

  • 自宅の金庫やセキュリティボックス
  • 銀行の貸金庫
  • エンディングノートに挟んでおく
  • デジタルデータとして暗号化して保存

家族への共有方法:

  • 保管場所を口頭で伝える(少なくとも配偶者や相続人に)
  • エンディングノートの「財産」欄に記入する
  • 信頼できる家族に写しを渡しておく

ただし、詳細な口座情報を安易に共有するとセキュリティリスクがあります。「○○銀行の△△支店に口座がある」程度の情報を伝え、詳細は所定の場所に保管しておくのが実務的な方法です。

デジタル資産も忘れない

近年は、ネット銀行やネット証券、暗号資産など、紙の証書がない資産が増えています。これらはログインIDとパスワードがなければ遺族がアクセスできません。

デジタル資産の一覧も財産目録に含め、アクセス方法の情報はパスワード管理ツールを活用して安全に保管しておきましょう。

そなえで財産情報を安全にまとめる

財産目録の作成は大切ですが、紙のリストは紛失や劣化のリスクがあり、更新も手間がかかります。

そなえの保管庫機能では、預貯金・保険・不動産などの情報をカテゴリーごとに整理し、安全に保管できます。情報の更新も簡単で、必要な時に家族がアクセスできる仕組みも備えています。

「作ったはいいけど、どこにしまったかわからない」という心配がなくなり、いつでも最新の状態を維持できるのがデジタル管理のメリットです。

まとめ

  • 財産目録とは、自分のすべての資産と負債を一覧にまとめた書類で、相続手続きの基礎資料になる
  • プラスの財産だけでなく、住宅ローンや借入金などマイナスの財産も必ず記載する
  • 法定の書式はないため自由な形式で作成でき、年に一度は見直しを行う
  • 保管場所を家族に伝えておくことで、もしもの時に遺族がすぐに対応できる
財産目録の作り方|終活で家族に残す資産一覧の書き方と記入例