家族が亡くなった後、保険に関する手続きは多岐にわたります。生命保険金の請求は遺族の生活を支える重要なお金ですし、健康保険の切り替えを忘れると医療費の全額自己負担が発生する可能性もあります。このチェックリストを使って、漏れなく手続きを進めましょう。
生命保険の請求
保険契約を確認する
- 自宅で保険証券を探す(書斎、金庫、引き出しなど)
- 通帳の引き落とし履歴から保険会社を特定する
- 郵便物や保険会社からの案内を確認する
- わからない場合は「生命保険契約照会制度」を利用する(利用料3,000円)
保険会社に連絡する
- 被保険者が亡くなったことを連絡する
- 必要書類と手続きの流れを確認する
- 請求書類一式を取り寄せる
- 注意点:複数の保険に入っている場合はすべての保険会社に連絡する
必要書類を準備・提出する
- 保険金請求書(保険会社所定の用紙)を記入する
- 保険証券を用意する
- 死亡診断書(または死体検案書)のコピーを用意する
- 被保険者の住民票の除票を用意する
- 受取人の戸籍謄本を用意する
- 受取人の本人確認書類を用意する
- 受取人の振込先口座情報を用意する
- 期限:一般的に3年以内(保険法による時効)
- 支払いまでの目安:書類提出から5営業日〜1ヶ月程度
請求時の注意点
- 受取人が先に亡くなっていた場合、受取人の法定相続人が請求権を持つ
- 保険金は受取人固有の財産であり、原則として遺産分割の対象外
- 死亡保険金には相続税がかかる場合がある(500万円×法定相続人の数が非課税枠)
健康保険の手続き
国民健康保険の場合
- 期限:14日以内
- 届出先:市区町村役場
- 国民健康保険資格喪失届を提出する
- 故人の保険証を返却する
- 葬祭費の申請をする(3〜7万円程度、自治体により異なる)
- 葬祭費の必要書類:申請書、葬儀の領収書、申請者の口座情報
社会保険(健康保険組合・協会けんぽ)の場合
- 届出先:勤務先を通じて届出(勤務先の担当者に連絡)
- 故人の保険証を勤務先に返却する
- 埋葬料の申請をする(一律5万円)
- 被扶養者だった家族は速やかに切り替え手続きをする
- 被扶養者の切り替え先:国民健康保険への加入、または他の家族の扶養に入る
後期高齢者医療制度(75歳以上)の場合
- 届出先:市区町村役場
- 資格喪失届を提出する
- 被保険者証を返却する
- 葬祭費の申請をする
- 高額療養費の還付が残っていないか確認する
介護保険の手続き
介護保険の資格喪失届
- 対象:65歳以上の方、または40〜64歳で要介護認定を受けていた方
- 期限:14日以内
- 届出先:市区町村役場
- 介護保険資格喪失届を提出する
- 介護保険被保険者証を返却する
- 保険料の過不足がある場合は精算手続きをする
火災保険・地震保険の手続き
名義変更の手続き
- 保険証券で契約内容を確認する
- 保険会社または代理店に連絡する
- 契約者変更(名義変更)の書類を取り寄せる
- 必要書類を提出する
- 必要書類:名義変更依頼書、戸籍謄本、新契約者の本人確認書類
- 注意点:不動産を相続する人に名義変更するのが一般的。相続登記と併せて進めるとスムーズ
不動産を手放す場合
- 保険の解約手続きを行う
- 解約返戻金の有無を確認する
自動車保険の手続き
車を相続する場合
- 保険会社に契約者の死亡を連絡する
- 記名被保険者・契約者の変更手続きをする
- 等級の引き継ぎが可能か確認する(同居の家族は引き継ぎ可能)
- 必要書類:名義変更依頼書、戸籍謄本、新契約者の免許証のコピー
車を手放す場合
- 保険会社に解約の連絡をする
- 未経過分の保険料が返金されるか確認する
- 自賠責保険の解約も忘れずに行う
よくある失敗と対策
- 保険の請求漏れ:故人が複数の保険に入っていることに気づかないケースが多い。通帳やクレジットカードの引き落とし履歴を必ず確認する
- 健康保険の切り替え忘れ:被扶養者だった家族が無保険状態になると、医療費が全額自己負担になる。14日以内に手続きする
- 葬祭費・埋葬料の請求忘れ:申請しないともらえない。葬儀後の慌ただしさで忘れがちなので、チェックリストに入れておく
- 自動車保険の等級を失効させる:同居の家族なら等級を引き継げるため、安易に解約しない