「エンディングノートを書いてみたいけれど、何をどこに書けばいいかわからない」——そんな方にとって、テンプレートは心強い第一歩になります。
エンディングノートのテンプレートとは、書くべき項目があらかじめ整理されたひな形のことです。真っ白なノートに向かうと何から書けばいいか迷いますが、テンプレートがあれば項目を順番に埋めていくだけで完成に近づいていけます。
この記事では、無料で使えるテンプレートの入手先をPDF・Word形式別に紹介し、印刷して手書きで使う場合の項目構成や、デジタルとの使い分けまで実用的に解説します。
エンディングノートのテンプレートが必要な理由
エンディングノートを書こうと思ったとき、多くの方が最初につまずくのが「何を書けばいいかわからない」という問題です。
何を書くべきか明確でないまま始めると、途中で手が止まり、結局未完成のままになりがちです。テンプレートはその迷いを解消してくれる存在といえるでしょう。
テンプレートを使う3つのメリット
- 書き漏れを防げる:項目があらかじめ設けられているため、重要な情報を見落とすリスクが下がる
- 書く順番に迷わない:「次は何を書くか」を考える手間がなくなり、スムーズに進められる
- 完成形がイメージしやすい:サンプルや記入例つきのテンプレートなら、どう書けばいいかの参考になる
エンディングノートの書き方では必要な項目を一覧で紹介していますが、テンプレートはその項目を実際に書き込める形に落とし込んだものです。
無料テンプレートの入手先【PDF・Word形式別】
エンディングノートのテンプレートは、大きくPDF形式とWord形式の2つに分かれます。それぞれ配布元の特徴も異なるため、使い方に合わせて選びましょう。
PDF形式のテンプレート
PDF形式は「印刷してそのまま手書きで記入する」使い方に最適です。
| 入手先 | 特徴 | おすすめの方 |
|---|---|---|
| 自治体(市区町村) | 地域の相談窓口情報つき。信頼性が高い | 地元で相談もしたい方 |
| 生命保険会社 | 財産・保険の項目が充実 | 保険の見直しと併せて整理したい方 |
| 葬儀社・終活サービス | 葬儀・お墓の項目が詳しい | 葬儀の希望を書き残したい方 |
| NPO・社会福祉協議会 | シンプルで読みやすいデザイン | 最低限の項目から始めたい方 |
入手方法
- 自治体の公式サイトで「エンディングノート テンプレート +自治体名」と検索
- 各社のウェブサイトから直接ダウンロード(多くは無料・登録不要)
- 役所の高齢福祉課・社会福祉協議会の窓口で紙冊子をもらう
PDF形式のメリットは、ダウンロードして印刷するだけですぐ使える手軽さです。パソコン操作に不慣れな方でも、プリンターがあれば問題なく利用できます。
Word形式のテンプレート
Word形式は「パソコンで直接入力する」「自分に合わせてカスタマイズする」使い方に向いています。
| 入手先 | 特徴 | おすすめの方 |
|---|---|---|
| 行政書士・弁護士事務所 | 法的に重要な項目が整理されている | 遺言書の準備も視野に入れている方 |
| 終活専門メディア | 項目が豊富で記入例つき | じっくり書きたい方 |
| テンプレート配布サイト | デザインのバリエーションが豊富 | 見た目にもこだわりたい方 |
Word形式ならではの利点
- 不要な項目を削除したり、自分に必要な項目を追加したりできる
- フォントサイズや行間を調整して読みやすくカスタマイズ可能
- 入力→保存→印刷のサイクルで情報を常に最新に保てる
- 修正テープなしで何度でも書き直せる
注意点として、Word形式はMicrosoft Officeまたは互換ソフト(Google ドキュメントなど)が必要です。
PDF・Word形式の選び方まとめ
| 比較項目 | PDF形式 | Word形式 |
|---|---|---|
| 使い始めやすさ | ◎ 印刷するだけ | ○ ソフトが必要 |
| カスタマイズ性 | △ 変更しにくい | ◎ 自由に編集可能 |
| 更新のしやすさ | △ 書き直しが手間 | ◎ データ上書きで完了 |
| PC操作不要 | ◎ 手書きでOK | × PCスキルが必要 |
| 保存性 | ○ 紙を保管する | ○ ファイルを保管する |
迷った場合は、まずPDF形式で印刷して書き始め、更新が面倒になったらWord形式に切り替えるという二段階方式もおすすめです。
印刷して使うテンプレートの項目構成
ここでは、印刷して手書きで使う場合に最適化された項目構成を紹介します。市販のテンプレートを選ぶ際にも、以下の構成がカバーされているか確認すると安心です。
セクション1:基本情報と緊急連絡先(印刷優先度★★★)
もしもの時に家族が最初に必要とする情報です。テンプレートの冒頭に配置しましょう。
記入すべき項目
- 氏名(ふりがな)・生年月日・血液型
- 現住所・本籍地
- マイナンバー(記載する場合は保管に注意)
- 緊急時に連絡してほしい人の一覧(5名程度)
- かかりつけ医の名称・電話番号
印刷のコツ:連絡先欄は5〜7行分のスペースを確保しておくと、後から追記しやすくなります。
セクション2:財産・口座・保険情報(印刷優先度★★★)
相続手続きで家族が直接参照する部分です。抜けがあると手続きに時間がかかるため、丁寧に記入しておきたいセクションです。
記入すべき項目
- 銀行口座一覧(金融機関名・支店名・口座種別・口座番号)
- 生命保険・医療保険(保険会社名・証券番号・受取人)
- 不動産(所在地・名義・概算評価額)
- 有価証券・投資信託(証券会社名・口座番号)
- 年金情報(基礎年金番号)
- 借入・ローン(残高・返済予定)
- クレジットカード一覧
印刷のコツ:口座1件につき1行ではなく、1件あたり2〜3行のスペースを取るとメモ書きも添えられて実用的です。
セクション3:デジタルアカウント情報(印刷優先度★★☆)
スマホ・パソコンのパスワードやSNSアカウント、月額サービスの情報です。現代の終活では見落とされがちですが、家族にとって非常に重要な項目です。
記入すべき項目
- スマホ・PCのロック解除方法
- メールアカウント
- SNSアカウント(希望する処理方法も記載)
- 月額サービス・サブスクリプション一覧
- パスワード管理ツールの情報
印刷のコツ:パスワードを直接記載する場合は、このページだけ別保管(封筒に入れて封をするなど)の工夫も検討しましょう。デジタル遺品の整理で詳しい管理方法を解説しています。
セクション4:医療・介護の希望(印刷優先度★★★)
延命治療への意思、介護施設への希望、アレルギーや持病の情報です。家族が最も判断に迷う場面で指針となります。
記入すべき項目
- 持病・アレルギー・常用薬
- 延命治療に関する希望(人工呼吸器・胃ろう・心肺蘇生)
- 臓器提供の意思
- 介護が必要になった場合の希望(在宅or施設、希望するケアの形)
- 認知症になった場合の財産管理の希望
印刷のコツ:延命治療の項目は「希望する / 希望しない / 家族に任せる」のチェック欄方式にすると記入のハードルが下がります。
セクション5:葬儀・お墓の希望(印刷優先度★★☆)
葬儀の形式やお墓の希望、遺影の候補写真の場所などです。
記入すべき項目
- 希望する葬儀形式(家族葬・一般葬・直葬・一日葬など)
- 宗教・宗派・菩提寺の連絡先
- 遺影に使ってほしい写真の保管場所
- お墓の希望(既存の墓・納骨堂・散骨・永代供養など)
- 費用感の希望(できるだけ抑えたい、など)
セクション6:家族へのメッセージ(印刷優先度★☆☆)
感謝や伝えたいことを自由に書く欄です。最も自由度が高く、正解のないセクションです。
印刷のコツ:罫線のみの自由記入欄を1〜2ページ分確保しておくと、後から気持ちを書き足すこともできて便利です。ビデオメッセージとして残す方法と併用する方も増えています。
印刷優先度の目安
すべてを一度に書こうとすると挫折しがちです。以下の順序で埋めていくことをおすすめします。
| 優先度 | セクション | 理由 |
|---|---|---|
| 第1段階 | 基本情報+緊急連絡先 | 最も緊急時に必要 |
| 第2段階 | 財産・口座情報 | 相続手続きの基盤 |
| 第3段階 | 医療・介護の希望 | 判断を迫られる場面で必須 |
| 第4段階 | デジタルアカウント | 放置すると費用が発生し続ける |
| 第5段階 | 葬儀・お墓 | 比較的時間に余裕がある |
| 第6段階 | 家族へのメッセージ | 気持ちが向いたタイミングで |
テンプレートを選ぶ5つのチェックポイント
数多くあるテンプレートの中から、自分に合ったものを選ぶための基準を整理しました。
| チェックポイント | 確認内容 |
|---|---|
| 項目の充実度 | 財産・医療・葬儀・デジタルなど主要6セクションがカバーされているか |
| 記入例の有無 | 書き方のサンプルや説明が添えられているか |
| 文字の大きさ | 印刷した際にストレスなく読み書きできるサイズか |
| 更新のしやすさ | 書き直しや追記がしやすい形式か(余白・追記欄の有無) |
| ページ数 | 多すぎると圧倒される。A4で10〜20ページ程度が目安 |
「完璧なテンプレート」を探しすぎるより、まず手に取って書き始めることの方が大切です。書き続けるうちに「もっとこういう欄が欲しい」と感じたら、そのタイミングでより自分向きのものに乗り換えれば問題ありません。
印刷テンプレートを長く使うための工夫
紙のテンプレートは書いたら終わりではなく、定期的な更新が必要です。以下の工夫で長く使いやすくなります。
バインダー式にする
ホチキス留めの冊子形式ではなく、クリアファイルやバインダーに1ページずつ収納する方式にすると、特定のページだけ差し替えられます。口座情報など変更が多いページだけを新しく印刷して入れ替えるだけで済むので、丸ごと書き直す手間がなくなります。
鉛筆で書く
「ボールペンで書いたら消せない」という心理的ハードルを下げるため、変更の可能性がある項目(口座情報・連絡先など)は鉛筆やフリクションペンで書くのも一つの手です。メッセージ欄はボールペンのほうが「想いの重み」が伝わるかもしれません。
更新日を欄外に記入する
各ページの右上や下部に「最終更新日」を書き込んでおくと、古い情報のまま放置されていないか一目でわかります。エンディングノートの更新頻度で推奨されている年1回の見直しの際にも役立ちます。
紙とデジタルを併用する
印刷テンプレートをメインにしつつ、頻繁に変わる情報(デジタルアカウント・サブスク一覧など)はスマホアプリで管理するという方法も効果的です。それぞれの長所を活かした使い分けができます。
| 紙で管理する項目 | デジタルで管理する項目 |
|---|---|
| 基本情報・連絡先 | サブスクリプション一覧 |
| 医療・介護の希望 | デジタルアカウント情報 |
| 葬儀・お墓の希望 | パスワード |
| 家族へのメッセージ | 写真データの保管先 |
| 保険証券の一覧 | 口座残高の概算メモ |
そなえでエンディングノートをもっと手軽に管理する
「そなえ」は、テンプレートに沿った項目がすでに用意されているデジタルエンディングノートサービスです。
- 書くべき項目があらかじめ整理されているので、迷わずに入力できる
- スマホからいつでも更新・追記が可能で、書き直しの手間がない
- もしもの時に指定した家族へ自動で届く仕組みがあり、「保管場所を伝え忘れた」問題を防げる
- 紙のように「なくなる」「古くなる」心配がない
「テンプレートをダウンロードしたけど、そのまま放置してしまっている」という方は、デジタルで管理する方法に切り替えてみるのもひとつの選択肢です。紙のテンプレートと併用して、更新頻度の高い項目だけをデジタルで管理するスタイルも実用的でしょう。
まとめ
エンディングノートのテンプレートは、自治体・保険会社・葬儀社などから無料で入手でき、PDF形式(印刷向け)とWord形式(PC編集向け)から自分に合ったものを選べます。
- 手書き派はPDF形式を印刷して、バインダー式で管理するのがおすすめ
- PC派はWord形式でカスタマイズし、定期的に上書き保存する
- 印刷向けテンプレートは6セクション構成を目安に、優先度の高い項目から埋めていく
- 「完璧」を目指さず、まず書き始めることが最も大切
テンプレートはあくまで「きっかけ」です。どの形式でも構いませんので、今日1つ項目を埋めることから始めてみてください。書き終えたら保管場所を家族に伝えることもお忘れなく。