現代ではスマートフォン、パソコン、各種オンラインサービスなど、多くの「デジタル資産」を持っています。これらは本人が亡くなった後、家族がアクセスできずに困るケースが急増しています。生前にデジタル遺品を整理しておくことで、家族の負担を大きく減らせます。
端末のアクセス情報を整理する
スマートフォン
- 画面ロックのパスコードを記録する
- Apple ID / Googleアカウントのパスワードを記録する
- 生体認証(指紋・顔認証)だけでなく、パスコードも設定しておく
- iPhoneの場合:「故人アカウント管理連絡先」を設定する(iOS 15.2以降)
- Androidの場合:Googleの「アカウント無効化管理ツール」を設定する
パソコン
- ログインパスワードを記録する
- ハードディスクの暗号化の有無を確認する(BitLocker、FileVaultなど)
- 暗号化している場合は回復キーを別の場所に保管する
- 外付けHDD・USBメモリがあれば一覧にする
タブレット・その他の端末
- タブレットのパスコードを記録する
- 電子書籍リーダーなどのアカウント情報を記録する
アカウント情報を棚卸しする
メールアカウント
- 使用しているメールサービスを一覧にする(Gmail、Yahoo!メール、Outlookなど)
- 各アカウントのIDとパスワードを記録する
- メインのメールアドレスを家族に伝えておく(各種サービスの連絡先になっているため重要)
SNSアカウント
- LINE:アカウント情報を記録する。トーク履歴のバックアップ方法を確認する
- Facebook:追悼アカウント管理人を設定する
- Instagram:死後にアカウントをどうしたいか希望を記録する
- X(旧Twitter):アカウントの取り扱い希望を記録する
- その他のSNS(YouTube、TikTokなど)があれば記録する
- 各SNSの死後の希望を明記する(削除・追悼アカウント化・そのまま残すなど)
クラウドストレージ
- Google Drive、iCloud、Dropbox、OneDriveなどの利用状況を確認する
- 重要なファイル(写真、動画、書類など)がどこに保存されているか記録する
- 家族に見てほしいデータと削除してほしいデータを分けておく
サブスクリプションを一覧化する
課金サービスの棚卸し
- クレジットカードの明細を確認し、月額・年額課金サービスを洗い出す
- 銀行口座からの引き落としも確認する
- アプリストア(App Store / Google Play)の定期購読を確認する
一覧表を作成する
各サービスについて以下を記録しましょう。
- サービス名
- 月額/年額料金
- 支払い方法(どのクレジットカードか)
- ログイン情報(ID・パスワード)
- 解約方法(Web上でできるか、電話が必要かなど)
- 死後の希望(すぐに解約 / 一定期間継続など)
よくあるサブスクリプション例
- 動画配信(Netflix、Amazon Prime、Disney+など)
- 音楽配信(Spotify、Apple Musicなど)
- クラウドストレージ(iCloud+、Google Oneなど)
- ニュース・雑誌(日経電子版など)
- ソフトウェア(Adobe、Microsoft 365など)
- オンライン学習、フィットネスアプリなど
パスワード管理の仕組みを作る
パスワード管理アプリを活用する
- パスワード管理アプリを導入する(1Password、Bitwardenなど)
- すべてのアカウント情報をアプリに集約する
- マスターパスワードを安全な方法で家族に共有できるようにする
- 緊急アクセス機能がある場合は設定する(1Passwordのファミリープランなど)
紙での管理を併用する場合
- 重要なアカウント情報だけを紙に書き出す
- 金庫や鍵付きの引き出しに保管する
- 信頼できる家族に保管場所を伝える
- 定期的に内容を更新する
デジタル資産の相続について知っておく
金銭的価値のあるデジタル資産
- 暗号資産(仮想通貨):ウォレットの種類と秘密鍵・リカバリーフレーズを記録する
- ネット銀行・ネット証券の口座情報を記録する
- 電子マネー(PayPay、Suicaなど)の残高と管理方法を記録する
- ポイント(楽天ポイント、マイルなど)の状況を確認する(多くは相続不可だが高額なら確認の価値あり)
知的財産・収益
- ブログやWebサイトの管理情報を記録する
- アフィリエイト・広告収入がある場合はその情報を記録する
- 電子書籍の出版アカウント情報を記録する
- 写真・イラストなどの販売プラットフォーム情報を記録する
定期的な見直しの習慣をつける
- 年に1回見直す:誕生日や年末など、決まったタイミングで情報を更新する
- 新しいサービスを登録したら追記:後回しにすると忘れるため、その場で記録する
- 不要なアカウントは削除:使わなくなったサービスは退会しておくと、遺族の手間が減る
- 家族に管理方法を伝える:どこに何が書いてあるかを、信頼できる家族と共有しておく